★設問1 1952年にアベリーと同じ結論「遺伝子本体はタンパク質でなくDNA」を得る研究を行った2人の研究者名と、使った実験素材は何か?



(考える)




・ハーシー・チェイス
・T2ファージ(バクテリオファージ)

★設問2 バクテリオファージはウイルスの一種である。ウイルスの特徴を2つ書け。




(考える)




・細胞構造を持たず、核酸(DNAかRNA)とタンパク質(+脂質のエンベロープ膜)のみから構成される。
・単独では自己増殖できず、他の細胞に寄生する。

★設問3 ハーシー・チェイスは、T2ファージの外側の殻タンパク質や内側のDNAを放射性同位元素で標識し追跡する実験を行った。
 タンパク質・DNAを標識する際、それぞれどの元素を放射性同位体に置き換えたか?




(考える)




タンパク質ーイオウ(35S)
DNA−リン(32P)

解説
タンパク質とDNAは元素CHONは共通に持つため区別できない。したがってタンパク質のみのもつS、DNAのみの持つPを標識することで区別しながら追跡できるようにした。

★設問4 タンパクを35Sで標識したT2ファージを大腸菌に感染数分後かくはんしし、遠心分離した場合、放射性は上澄み・沈殿どちらから検出されるか?
 その場合、生まれてくる子ファージは放射性を持つか?



(考える)



放射性は上澄みに存在
子ファージは放射性持たず


★設問5 DNAを32Pで標識したT2ファージを大腸菌に感染数分後かくはんし、遠心分離した場合、放射性は上澄み・沈殿どちらから検出されるか?
 その場合、生まれてくる子ファージは放射性を持つか?



(考える)



放射性は沈殿に存在
子ファージは放射性持つ

解説
 設問4・5を図示すると下図のようになる。




 


赤が放射性と考えると、上の実験では放射性は上澄みに、下の実験ではDNAは大腸菌内に打ちこまれるので、沈殿に放射性ができ、そこから放射性を持った子ファージが生まれることがよくわかる。
 ファージは軽くて小さいので、「かくはん」すると大腸菌から離れて、上澄みのほうに分布していることが多い。

特に下の実験で(タンパク質は菌体外に残され)DNAのみが菌体内に打ちこまれ、そこから放射性を持った子ファージが生まれてくることから、タンパク質でなくDNAが遺伝子本体とわかる。

★設問6 遠心分離後、図の白い側にも放射性が少量検出される。なぜか?上の実験・下の実験それぞれ書け。



(考える)



・上の実験ーT2ファージの殻ごと大腸菌に付着したままで、沈殿部に沈殿した少量の放射性を検出した。

 
・下の実験 大腸菌に感染せず、上澄み溶液中に浮いたままになっていてDNAを保持している少量のT2ファージの放射性を検出した。

★設問7 そもそも32PをDNAに持つファージはどのようにして作成したか?




(考える)



32Pを含む培地で育てた大腸菌に、T2ファージを感染させる。

解説
単独では自己増殖できないため、まずその培地で大腸菌を育てそれに感染させ生まれたファージを使う。