下の図の上半分は、体細胞分裂・卵巣での減数分裂での核あたりのDNAの変化を、大多数の体細胞の核のDNAを2とした相対値で示したものである。
 また図の下半分は、ウニとカエル・ヒトに関し、卵巣で成熟・放卵(排卵)された卵が、精子と受精したのちしばらくまでの「細胞」あたりのDNA量を示したものである。





 





 









 

問1 @〜C(細胞周期での時期の名称)、D〜G(細胞の名称)
 H(現象の名称)I(細胞の名称)J(現象の名称)を答えよ。







@G1期(DNA合成準備期)
AS期(DNA合成期)
BG2期(分裂準備期)
CM期(分裂期)
D一次卵母細胞(精巣の場合、一次精母細胞)
E二次卵母細胞・第一極体
  (精巣の場合、二次精母細胞)
F卵細胞・第二極体
  (精巣の場合、精細胞・精子)
G卵原細胞
H受精
I受精卵
J第二極体放出

解説
 分裂を停止し分化した大多数の体細胞ではもうDNA複製の必要性がないのでG1期と同じDNA量である(特に分裂を停止しているのでG0期と表現する)。これを基準にDNA量を答えさせる問題が多いので
G1期(G0期)が大多数の細胞のDNA量であることは認識しておこう。

問2 ヒトやカエルで精子が受精する卵は、減数分裂のどの時期か?
その時期の細胞は何と呼ばれるか?






減数分裂第二分裂中期
二次卵母細胞

解説
ウニでは完全に減数分裂が完了した卵細胞として放卵され、それに精子が進入するが、カエル・ヒトでは減数第二分裂分裂中期(二次卵母細胞)の段階にとどまった状態に精子が侵入する。
 二次卵母細胞ではDNA量2のため、そこにDNA量1の精子が侵入すると「細胞」あたりのDNA量は、一瞬3となる。
 しかるのち、精子の核が卵の核側に接近する前に、減数第二分裂が完了し、第二極体が放出され、卵の核もDNA量1となるため、受精卵のDNA量は2となる。
 したがって、受精卵以降の初期の体細胞分裂(卵割)は、ウニでもカエル・ヒトでも同じDNA量変化となる。

左下の図は精子が侵入した瞬間のカエル・ヒトの状態を示した。上にある細胞がすでに減数第一分裂を終えた時に放出されていた第一極体、下から侵入しているのが精子である。