午後の「生物」のチェックリストです。

★1「生命と物質」
1、 滑面小胞体はカルシウムを蓄え放出する働きがあり、カルシウムを介した情報伝達に関与する。

2、 ゴルジ体から分離した小胞の膜に入ったタンパク質は膜タンパクとなり、小胞内部のタンパク質は細胞外に分泌される。

3、 赤血球の細胞膜での能動輸送により細胞外にNa+、細胞内にK+多い。

4、 基質に似た物質の存在で酵素の活性部位の基質への結合が阻害されることを「競争阻害」といい、反応生成物が酵素活性を阻害することを「(負の)フィードバック調節」という。

5、 脱水素酵素の補酵素はNAD+で、酵素と補酵素は透析で分離される。
6、 血液凝固でプロトロンビンからトロンビンを生成する際Ca2+が必要。クエン酸ナトリウムでCa2+を除去すると凝固しなくなる。
7、 抗原を認識したT細胞(ヘルパーT細胞)はインターロイキンを分泌し、B細胞を活性化させ抗体産生を促す。

8、 イオンなどを受動輸送する膜タンパクをチャネル、ATPのエネルギーで能動輸送するものをポンプと呼ぶ。

9、 細胞外の物質を細胞内に取り込む作用をエンドサイトーシス、細胞外に放出する作用をエキソサイトーシスという。

10、 多くのタンパク質系ホルモンに対する受容体は細胞膜、糖質コルチコイドなどステロイド系ホルモンに対する受容体は細胞質か核内にある。

11、 細胞間接着に関わるタンパク質はカドヘリン

★2代謝
1、呼吸は解糖系(2ATP)、クエン酸回路(2ATP)、電子伝達系(34ATP)、発酵(アルコール発酵、乳酸発酵)は2ATPのみ。補酵素はNAD+やFAD。

2、光合成の光化学反応は光化学系2→1の順番・補酵素はNADH+。

3、葉緑体に光を当てるとCO2がなくてもO2を発生させる反応(ヒル反応)から光化学反応が発見された。
4、光合成のO2はCO2由来でなくH2O由来

5、光合成細菌ではH2Sを分解し、Sを放出する。

6、亜硝酸菌はアンモニウムイオン→亜硝酸イオン、硝酸菌は亜硝酸イオン→硝酸イオンに酸化(特に硝化という)する時のエネルギーで炭酸同化

7、硝酸イオン、アンモニウムイオンから有機窒素化合物を合成する作用を「窒素同化」、N2から合成する作用を「窒素固定」、硝酸イオンからN2を放出させる働きを「脱窒」という。

★3(遺伝現象と物質)

1、DNAはヒストン(タンパク質)に巻きつかれ、折りたたまれヌクレオソームを形成する。

2、DNAの新しい鎖が合成される時は5´→3´方向

3、真核生物の場合、転写の次に核内で、イントロンを切り出し、エキソンどうしをつなぎ合わせる「スプライシング」を行う。

4、mRNAの3塩基をトリプレットといい、アミノ酸を指定する暗号文に見立ててコドン(遺伝暗号)という。

5、開始コドンはAUG(メチオニン)、終止コドンはUAA,UAG、UGA

6、真核生物は転写(核内)、翻訳(細胞質のリボソーム)であるが、原核生物はほぼ同時に細胞質内でおきる。

7塩基置換では、指定するアミノ酸が変化しない(サイレント置換)、他のアミノ酸に代わる(ミスセンス突然変異)、終止コドンになる(ナンセンス突然変異)であるが、欠失・挿入ではトリプレットの読み枠がずれる「フレームシフト突然変異」となる。

8、転写を抑制する調節タンパクをリプレッサーと呼ぶ。

9、真核生物では転写調節領域―調節タンパクー基本転写因子―プロモーターの結合ができるとRNAポリメラーゼが転写を開始する。

10、大腸菌のプラスミドに目的遺伝子を組みこんだり、植物細胞に土壌細菌アグロバクテリウムのT-DNAに目的遺伝子を組みこみ、遺伝子組み換えをする。

11、PCR法は、相補鎖合成の出発点となる短いプライマ―を起点にDNAを増幅する方法。

12、電気泳動でDNA断片は塩基対数に対応した距離を移動する。少ないほど移動距離が多く、多いほど少ない。

13、DNAの塩基配列分析装置をDNAシーケンサーという。

★4(有性生殖)

1、体細胞分裂のDNA量(2→DNA合成→4→2)、減数分裂のDNA量(2→DAN合成→4→2→1)。受精で2にもどる。

2、ショウジョウバエ・ヒトなど雄ヘテロ型のXY型性決定では常染色体1組をAとすると
母2A+XX→卵A+X、父2A+XY→精子A+X、A+Y。精子A+Xと卵A+Xの受精で娘(2A+XX)、
精子A+Yと卵A+Xの受精で息子(2A+XY)。

3、ショウジョウバエの三点交雑法で染色体地図が描かれた。

★5(動物の生殖と発生)
1、ウ二は等黄卵・等割、カエルは端黄卵・不等割、ニワトリは端黄卵・盤割、ショウジョウバエは心黄卵・表割

2、カエル胚葉
・外胚葉→表皮(レンズ含む)・神経(脊髄・脳、網膜もここ由来)
・内胚葉→消化管上皮、肝、すい、甲状腺、呼吸系
・中胚葉→それ以外
  脊索→退化 
  腎節→腎臓・生殖輸管・輸尿管
  体節→真皮・骨格・骨格筋(背中側)
  側板→心臓血管系・内臓筋(平滑筋)・腸間膜

3、カエル卵では精子進入点の反対側にできる灰色三日月環側が背側になる。

4、フォークトが局所生体染色法で原基分布図を描き、シュペーマンは交感移植実験で、初期原腸胚では運命未定、初期神経胚では決定していることを確かめた。

5、予定内胚葉が中胚葉を誘導する作用を中胚葉誘導といい、腹側では血球(や腎臓)、背側では脊索(や筋肉)を誘導する。

6、細胞が予定されているように死ぬことをプログラム細胞死といい、細胞が断片化するアポトーシスという細胞死を行う。

7、ヒトやショウジョウバエで体の頭尾軸の形成に関わる遺伝子をホメオティック遺伝子と呼ぶ。

★5(植物の生殖と発生)
1、胚柄は胚にはならずに退化

2、無胚乳種子は胚乳できるが退化。マメ科、アブラナ科(ナズナ・大根)・クリ・アサガオ。それ以外は有胚乳種子。

3、花器官の形成では外側から内側に遺伝子発現の差あり。A遺伝子のみ→がく、A+B→花弁、B+C→おしべ、Cのみ→めしべ。

★6(動物の反応と行動)
1、目に入る光は神経のある側から視細胞に入る

2、暗くなるとかん体細胞のほうの閾値が低下(=感度が上昇)し見えるようになる。

3、うずまき管は入口付近が高音、奥部(頂点)が低音感知。

4、「神経」は束になっていること多、「神経細胞・ニューロン」だったら1本。

5、神経細胞は全か無かの法則で、刺激を強めても活動電位一緒。頻度は上昇

6、神経はNa+流入で興奮。細胞内では興奮部から隣接部、外では逆に電流が伝わる

7、筋収縮においてはATPが消費されたADPにクレアチンリン酸がリン酸を付与しすみやかにATPに戻す。

8、感覚神経は背根から脊髄に入り、運動神経は腹根から出る。

9、ミツバチダンスは巣内で上を太陽の方角に見立てて、尻ふりダンスの直進方向が餌の方角を示す。

★7(植物の環境応答)

1、オーキシンは根で高濃度で伸長阻害、茎では伸長促進。

2、ジベレリンは種子発芽促進、アブシシン酸は抑制

3、レタス、シロイヌナズナは発芽に赤色光を必要とする光発芽種子。色素タンパク質、フィロクロームは赤色光で
Pr→Pfrとなり、発芽などを起こす。遠赤色光ではPfrはPrにもどる。

4、青色光受光タンパク質に光屈性・気孔の開口に関わるフォトトロピン、もやし状の成長にかかわるクリプトクロムがある。

5、サイトカイニンは側芽を成長させる。頂芽から出されるオーキシンはそれを抑制する(頂芽優勢)。

6、オーキシンは重力方向ではなく、先端部→基部への「極性移動」を行う。

7、サイトカイニンは気孔を開かせ、アブシシン酸は閉じさせる。

8.エチレン・アブシシン酸は離層を葉柄や果柄のつけねに離層を形成させ落果落葉を促し、オーキシン・ブラシノステロイドはそれを抑制する。

★8(生物の進化)

1、原始大気はミラーの実験ではCH4・NH3・H2・H2Oと考えられていたが、今はCO2、CO、N2、H2Oと考えられている。

2、オパーリンは生命の起源をコアセルベート(液滴)、柳川・江上はタンパク質からなる細胞状構造マリグラヌールと考えた。

3、RNAが複製と触媒作用を両方行うRNAワールドが生命の起源にあった。
4、シアノバクテリア(ラン藻・ラン細菌)(構造物ストロマトライト)が放出したO2が、海中の鉄イオンを酸化し「しま状鉄鋼層」を作った後、海中と空気中の酸素を増やした。

5、約6億年前の殻をもたず運動性の低い生物群(エディアカラ生物群)の後、約5億年前、運動性の高いバージェス動物群(中国では澄江動物群)が爆発的に種類を増やした(カンブリア紀の大爆発)

6、最初の脊椎動物はあごのない無がく類。

7、植物体の最古の化石はシルル紀のクックソニア(4.2億年前)

8、樹上生活をした霊長類の特徴―拇指対向性・立体視

9、ヒトの特徴―直立二足歩行(大後頭孔が真下・眼窩上隆起が退化・おとがい(あごの先端のとんがり)が生じる。

★9(進化のしくみ)

1、示準化石―三葉虫・フズリナ(古生代)・アンモナイト(中生代)

2、外形や働きが異なっても内部構造や起源が近い器官を相同器官(両生類の前肢・鳥の翼・クジラの胸びれ・ヒトの手)、外形・働きが近くても内部構造や起源が異なる器官を相似器官(鳥の翼・昆虫の翅)

3、1つの系統が様々な系統に分岐することを「適応放散」、異なる系統の生物が、似た環境への適応として似た特徴を持つことを「収れん」という。

4、鳥類・爬虫類の窒素排出物は、魚類時代のアンモニア排出型、両生類時代の尿素排出型をへて、尿酸排出型となる。

5、自然選択と遺伝的浮動が進化の原動力。遺伝的浮動とは、生存に有利でも不利でもない中立的な変異を進化の原動力とみなす「中立説」(木村資生)に基づく。個体数の減少に伴って遺伝子構成の偏る「びん首効果」で促進される。

★10(生物の系統)

1、リンネは属名と種小名をラテン語表記する学名で分類する二名法を提唱。

2、分類は大きい順に、界門綱目科属種(「買物の項目忘れ、家族にしゅかられた」)

3、ヘッケルは系統樹を書き三界説(原生生物界・植物界・動物界)を提唱。ホイタッカー・マーグリスは菌界と原核生物界を加えた五界説を提唱。最近、遺伝子分析から、三ドメイン(細菌ドメイン・古細菌ドメイン・真核生物ドメイン)説が有力。

4、菌類は接合菌類(クモノスカビなど)・子のう菌(酵母・カビ)・担子菌類(キノコ)・地衣類(ウメノキゴケ・サルオガセ)に分類される。

5.二胚葉性動物は、ヒドラ・クラゲ・イソギンチャクなど刺胞動物。

6三胚葉性動物は、原口が口になる旧口動物(扁形・環形・軟体・節足・線形動物)と、原口が肛門になる新口動物(ウニ・ヒトデ・ナマコなど棘皮、ホヤ・ナメクジウオと脊椎動物を含む脊索動物)に分類される。

7旧口動物は、脱皮動物(線形・節足)とそれ以外の冠輪動物(環形・軟体・扁形など)に分類される。

★11(生態系)
1、動きが少ない植物やフジツボの個体数調査には「区画法」、動き回る動物の個体数調査には「標識再捕法」を使う。

2、個体数が増えていく様子を示すグラフを「成長曲線」といい、「環境収容力」で頭打ちとなる。

3、密度効果で産卵率が減り死亡率が増えるが、形まで変わることを「相変異」と呼び、孤独相に比べ、群生相では小型になるが移動性は高まる。

4、作物を密集して育てても収量が一定になるのを「最終収量一定の法則」という。

5、生存曲線で死亡率一定型は、死亡「数」は一定ではない。

6、【植物】純生産量=総生産量―呼吸量、成長量=純生産量―(被食量+枯死量)

7【動物】同化量=摂食量―不消化排出量、生産量=同化量―呼吸量、成長量=生産量―(被食量+死亡量)


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