細胞と細胞を細胞膜どうしや細胞膜と基底層(細胞外マトリックス)で接着させるしくみが「細胞接着」である。
 細胞接着のためには細胞膜内でそれをささえる土台が必要で、その土台は細胞骨格という細胞内の強度を維持するための
鉄筋のような役割をする繊維状タンパク質が担っている。
 そしてその繊維状タンパク質「細胞骨格」は細胞小器官などの輸送の際の電車のレールのような役割もすることがある。

問1 次の図は上部分は細胞接着の5タイプ(@〜D)とそれに関与するタンパク質を示したものである。@〜Dの接着の方法の名称、またA〜Cの総称、またa〜eの物質の名称を記せ。



 





@密着結合
A接着結合
Bデスモソーム
Cヘ三デスモソーム
Dギャップ結合
A〜Cの総称 固定結合

aアクチンフィラメント
bカドヘリン(カルシウムが関与する接着物質なのでcaluciumとadhensionをあわせて造語したもの)
cケラチンフィラメント
dインテグリン
eコネクソン

問2 同じ図の下部分には細胞接着でも一部登場した物質も含め、細胞骨格の3種を示したものである。直径が細い順に並べてあり、真ん中のものはc(ケラチンフィラメント)などを含むもので
中間径フィラメントという。aは上記の通り、アクチンフィラメントである。一番太いiの構造名と構成物質名をかけ。またaやiの上をATPを分解するエネルギーで移動し物質を輸送するモータータンパク質f・g・h(ghは順不同である)の名称を答えよ。





i微小管・チューブリン
fミオシン
ghダイニン・キネシン

解説
 fで細胞小器官が輸送されることで「原形質流動」がおきる。
またghは主にニューロン内の物質などの輸送(軸索輸送)にかかわる。
なお真核生物のべん毛・繊毛は、
微小管が9+2で並んだ構造をしていて、これのしくみはヒト気管上皮細胞でもゾウリムシでも共通。(原核生物のべん毛は別構造である)