大学入試センター生物第6問(遺伝子操作)の解答解説を下にリンクで別サイトに飛ぶ形で貼っています。ご参考にください。

 以下の図は、免疫にかかわる細胞名・作用名・免疫の種類名を示したものである。1〜14の名称を答えよ。
 なお黒の→は細胞の移動や変化を示し、赤の→は細胞間の情報伝達の中身を示す。












 








1抗原(病原菌(図の白い玉)表面の物質。図の黒い玉)
2自然免疫
3体液性免疫
4細胞性免疫
5獲得免疫
6好中球・単球(マクロファージ)
7樹状細胞またはマクロファージ
8抗原提示(細胞)
9ヘルパーT細胞
10(免疫)記憶細胞
11ーB細胞
12抗体産生細胞(Yの形のものは抗体)
13抗原抗体反応
14 ウイルス感染細胞
15キラーT細胞

解説
 2は好中球や単球(マクロファージになる前の細胞をこう呼ぶ)などの食作用で、非特異的(侵入したどの異物に対して反応)に細菌などを食作用で分解していくしくみであり、もともと自然に備わっているので「自然免疫」という。

一方、抗体を体液中に飛ばし、それで病原菌表面の抗原に結合させるなどして作った塊を処理する3の「体液性免疫」と、
4のようにキラーT細胞が直接ウイルス感染細胞やがん細胞、移植臓器を攻撃する「細胞性免疫」がある。
自然免疫に対し、「体細胞免疫」と「細胞性免疫」は特異的に細菌表面の物質などを感知し、特定の抗原にのみ反応するように対応するので「獲得免疫」ともいう。
 
 なお免疫系の総司令部は、9ヘルパーT細胞であり、体液性免疫で抗体を産生することになるB細胞(抗体産生細胞)、細胞性免疫でウイルス感染細胞などを攻撃するキラーT細胞を活性化させる。




 そしてヘルパーT細胞に侵入した情報を提供するのが樹状細胞とマクロファージなどの抗原提示細胞である。
 なおヘルパーT・キラーT・B細胞ともに、免疫による反応が一段落し、抗原(病原菌)を抑えたあとでも「免疫記憶細胞」として残り、次の侵入の際には速やかに大量に反応できるように備える。