★問1、神経における「伝導」と「伝達」を英語で書き、その意味を説明せよ。





答 伝導conduction(軸索を興奮が活動電流で興奮を伝えること)
  伝達transmission(ニューロン間を物質で興奮を伝えること)
解説 生物の入試で英語が聞かれるわけではないが、科学系英文などで出題されうる内容なので知っておいたほうがよい。なによりも日本語でも両者を伝「導」、伝「達」と区別していることを記述などで答える時に意識してほしい。「電導」「伝道」が誤字である。


以下の図で伝達の様子(伝導とのつなぎも含めて)を確認しよう。







 



@シナプス前細胞の軸索の細胞膜に軸索末端まで活動電流が伝わる。
A、@を受け止め、軸索末端部にあるカルシウムチャネルが開き、Ca2+が流入する。
BCCa2+増により神経伝達物質(transmitter、アセチルコリンなど)を蓄えたシナプス小胞が、シナプス間隙側と接する膜に融合し、神経伝達物質がシナプス間隙に放出される。

Dその神経伝達物質を、シナプス後細胞の細胞膜表面のレセプターが受け止める。
Eすると、Na+など(アセチルコリンの場合)が流入する。
Fそれにより、シナプス後細胞に活動電流が発生し、軸索末端めざした「伝導」が始まる。

さてここで少し用語の確認
問2 AEはイオンを通すのでチャネルと呼ばれるが、チャネルを開かせる刺激の違いから別の名称で呼ばれる。それぞれ何と呼ばれるか?





A電位依存性カルシウムチャネル
Eリガンド依存性ナトリウムチャネル

解説
Aは活動電流で刺激され、Eはアセチルコリンなど物質で刺激される。
細胞に刺激を与える物質のことをリガンドと総称するので、電位依存性・リガンド依存性とそれぞれ呼ばれる。

なお、神経伝達物質がアセチルコリンの場合、シナプス間隙のアセチルコリンはやがて、アセチルコリンエステラーゼで分解され、一部はシナプス前細胞に再取り込みされる。