問1 茎・根はそれぞれどの方向の重力屈性を持つか?






茎 負の重力屈性 根 正の重力屈性

解説 重力刺激の源は地球の中心部(地下6500km)にあり、その刺激の源に向かうのが「正」、逃げるのが「負」なので、根が正の重力屈性、茎が負の重力屈性である。逆にしないこと。

問2 横たえられた雑草で根が地中に向かい、茎が立ち上がり、再び成長していくしくみを簡潔に説明せよ。






答 茎の先端部では作られたオーキシンが重力にそって下側に移動する。そのあと、オーキシンは下側を根元に向かって移動し分布する。
茎ではオーキシンが伸長促進するので、下側の伸長が、上側に比べて促進され、茎は立ち上がる。一方、根では、茎の伸長促進するオーキシン濃度では根は伸長抑制され、上側に比べ下側の伸長が少なく、根が下方に曲がる。

問3 茎の内皮細胞や根の根冠の細胞の中で、重力を感知し移動する構造は?





アミロプラスト(デンプン粒を多く含んだ色素体)
(あるいはその影響下で細胞膜配向が移動する「オーキシン輸送タンパク」)

解説
 以下の図で解説します。

 


























 










初歩の問題では上図のように、単純にオーキシンが下側にたまり、茎と根のオーキシン感受性が逆なので、それぞれ別の向きに屈曲する認識でよい。
 ただ、発展的な問題では更に正確にしくみが聞かれるので下図のようになる。@→Dがオーキシン移動の順番・方向なので、その順に見てほしい。

@茎の先端部で作られたオーキシンは、重力にそって下側に移動する。それは茎の内皮細胞に存在するアミノプラストが重力によって細胞の下側にたまり、それがオーキシン輸送タンパク質の配向を下側に移動させ、オーキシンが下側に輸送されるからである。
(なお上側にも全く移動しないわけではなく、移動量が少なくなる。図では1点だけオーキシンを示している)

A茎の伸長部ではもともとオーキシン輸送タンパクが基部に向けて配向されているため基部に向けて移動する。
(そしてオーキシンの感受性で下側の伸長が促進され、茎は立ち上がる)

B根ではオーキシンは中心部に集まり、根冠の中心部に向かう。

C根冠の細胞でもアミロプラストは重力によって下側にたまる。そしてオーキシン輸送タンパクを下側に多く配向させるために下側に向けてオーキシンが移動する。(なお上側にも全く移動しないわけではなく、移動量が少なくなる。図では1点だけオーキシンを示している)

D根ではオーキシン輸送タンパクは基部から先端部に行くように配向されており、オーキシンは根の伸長部を逆流し、下側に多く分布するようになる。
(そしてオーキシンの感受性で下側の伸長が抑制され、根は下方に向かう)