★設問1 植物が刺激に来る方向に
向かったりそれから離れる方向に屈曲する性質を何というか?
また刺激に来る方向と関係なく決まった運動をする性質を何というか?
また動物が刺激に向かったり離れたりする行動を何というか?



(考える)



刺激に向かったり離れたりするー屈性(tropism)
刺激の来る方向に関係ないー傾性(nasty)
動物ー走性(taxis)

解説
この3つの用語を混同しないようにすること。


★設問2 屈性は刺激の種類と反応の方向に関して
「●の●屈性」という名称がつく。また傾性についても「●傾性」という名称がつく。
 次の運動の具体名を答えよ。
1、光に対する茎の運動
2、光に対する根の運動
3、重力に対する茎の運動
4、重力に関する根の運動
5、ヘチマの巻きひげ
6、水分に対する根の運動
7、リンゴ酸などに対する花粉管の運動
8、タンポポの花の開閉
9、チューリップの花の開閉
10、オジギソウを手で触れると葉が閉じる。




(考える)



1、(茎)正の光屈性
2、(根)負の光屈性
3、(茎)負の重力屈性
4、(根)正の重力屈性
5、正の接触屈性
6、正の水分屈性
7、正の化学屈性
8、光傾性
9、温度傾性
10、接触傾性

解説
刺激源に向かうのを「正」、刺激源から逃げるのを「負」とする。
重力の源は地球の中心にあるので、
そちらに向かう根が「正」、それから脱出しようとしている茎が「負」なので注意。
花粉管は胚のう(助細胞という説が強い)から出されるリンゴ酸など化学物質に対する正の化学屈性。
 タンポポが光があれば、チューリップは高い温度があれば、
オジギソウは接触されれば、その刺激がどちらからでも同じ運動をするので「傾性」
 巻きひげは接触した方向に曲がるので「正の接触屈性」

★設問3 オーキシンの化学物質名は?



(考える)



インドール酢酸(IAA)
(indol-3-acetic acid)

★設問4 茎の正の光屈性を、オーキシンの移動により説明せよ。



(考える)



茎の先端部で合成されたオーキシンは先端部で光の当たらない側に移動した上で、基部に向かって移動し、
そこを伸長させる。光のあたる側はあまり伸びないため、茎は光に当たる側に屈曲する。

★設問5 オーキシンによる茎の屈性の研究によく使われる植物と部位を答えよ。




(考える)



マカラスムギ(アべナ)の幼葉鞘(ようようしょう)(子葉鞘)。

解説
芽生えで筒のように丸まった第1葉を包む構造。ウエントはじめ様々な学者が実験したが、ダーウインもその1人である。

★設問6 下図はアべナやクサヨシに関する様々な実験と屈曲の方向、オーキシンの動きを図示したものである。
この実験結果からわかることを列挙せよ。






(考える)



1、先端が存在し光があたらないと両側基部に向けて均等にオーキシンが移動しまっすぐに伸びる
2、先端部がないとオーキシンが合成されず、伸長しない
3、オーキシンは雲母を通過できない
4、オーキシンは寒天には蓄積される。
5、先端部に光が当たるとオーキシンは光に当たらない側に移動した上で基部に移動し、光に当たらない側を伸長させる。
6、先端部以外に光が当たってもオーキシンは横方向に移動はしない。
7、オーキシンが雲母などにさえぎられて基部に移動できないと伸長の起きない。

解説
 このように原理を書かせる問題よりも、屈曲の向きを答えさせる問題が出題させるが原理を理解しておいてほしい。