今日は画像なしです。

★設問 XY型性決定様式の生物について、[AB]の雌と[ab]の雄を交配したF1は雌雄とも[AB]だった。このF1どうしを交配したF2では、
雌では
[AB]:[Ab]:[aB]:[ab]
=3:1:0:0


雄では
[AB]:[Ab]:[aB]:[ab]
=3:1:3:1

であった。遺伝子A,Bはどのような遺伝様式か?またもともとの親の遺伝子型を答えよ。






AはX染色体上の遺伝(伴性遺伝)
Bは常染色体上の遺伝

雌はXAXABB(AABB)
雄はXaYbb(abb)

解説
 設問自体が雌雄の違いにこだわっているので伴性遺伝が関与している可能性が高いのでまずはそれを分析する。

AB混在したF2比率のままではわかりにくいので、まずはAだけ、Bだけで分析する。

Aaについて
♀[A]:[a]=4:0=1:0
♂[A]:[a]=4:4=1:1
→♀♂に結果差あり→伴性遺伝

Bbについて
♀[B]:[b]=3:1
♂[B]:[b]=6:2=3:1
→♀♂に結果差なし→常染色体上遺伝
(メンデルのF2の3:1になっている)

したがってAをX染色体上遺伝、Bを常染色体上遺伝と考え、F1
が♀♂とも[AB]であったことを踏まえて考えてみる。

親 XAXAーXaY


F1 XAXaーXAY


F2

・|XA | Xa
ーーーーーーーー
XA|XAXA |XAXa
ーーーーーーーー
Y|XAY |XaY

で♀で[A]:[a]=1:0
♂で[A]:[a]=1:1
が確認できる。

一方Bは
親 BBーbb
 ↓
F1 Bb ーBb
  ↓
F2 [B]:[b]=3:1

なお伴性遺伝の答えの書き方には
XAXABB,XaYbbのようにXの方にAを載せる書き方の他に
XやYを無視し
AABB,abbと書く書き方もある。
設問がどちらを要求しているかよく読むこと。何も断り書きがない限り両方許容しているので、よく慣れた
XAXABB,XaYbbの書き方のほうがお勧めである。

●遺伝の問題の見分け方(重要)

 遺伝の設問が最初から常染色体・伴性遺伝と明記していない場合、次のように見分ける。

・設問自体の記述が♀♂の違いにこだわらず (例 赤と白との交配)
→常染色体上遺伝

・設問自体が♀♂の違いにこだわる(例 赤眼の♀と白眼の♂との交配)
ア、遅滞遺伝などの特殊な遺伝
また「ショウジョウバエの場合、常染色体でも♂では組換えがなく、♀では組換えがある」
という事実に基づいた設問が出されることもある。その場合常染色体でも♀♂の違いにこだわって表記することもあるので注意。

イ、その他の場合

→子・孫の出現比に♀♂の結果差がある
→伴性遺伝

→子や孫の出現比に♀♂の結果差がない
→「伴性遺伝だが、
親の遺伝子型の組み合わせで結果差が出ていない」か「(引っかけ問題で)実は常染色体」か、設問全体から見分ける。