★設問1 性染色体にのった遺伝子による遺伝現象で、雌雄で表現型分離比に差があるような遺伝を何というか?




(考える)




伴性遺伝(sex-linked inheritance)

★設問2 伴性遺伝のうち、(入試出題のほとんどを占める)X染色体上劣性遺伝形質をヒトで2つ、ショウジョウバエで1つあげよ。




(考える)




ヒト 血友病 赤緑色覚異常
(デュシャンヌ型筋ジストロフィー
・レッシュナイハン症候群・脆弱X症候群)

ショウジョウバエ 白眼突然変異(赤眼が優性)

★設問3 ヒトの赤緑色覚異常遺伝子をa,健常遺伝をAとすると、女性と男性の性染色体とその上のAaの存在様式のパターン・表現型を全て書け。




(考える)




女性
・XAXA 健常
・XAXa 健常(保因者)
・XaXa 色覚異常

男性
・XAY 健常
・XaY 色覚異常

解説
(本当はXの右肩上に小さく表記するのだが、メルマガ本文では書けないのでご容赦願いたい。)
女性3パターン・男性2パターンである。
他の生物でもX染色体上劣性遺伝なら同じである。

★設問4 日本人では健常遺伝子と赤緑色覚異常遺伝子は19:1(赤緑色覚異常遺伝子が1/20)で存在する。
 女性と男性の赤緑色覚異常の出現率はそれぞれどうか?




(考える)




女性 1/400(400人に1人)
男性 1/20(20人に1人)

解説
男性のYは遺伝子発現に無関係で、XAかXaのみで決定されるので男性の色覚異常率は1/20.
 女性はXaXaとならないと色覚異常にならないので
(1/20)×(1/20)=1/400。

一般的に男性のほうが伴性遺伝疾患になりやすい。

★設問5 A健常、a色覚異常の遺伝において、両親の遺伝子型と交配パターン6つをあげ、それぞれについて、子どもの健常・色覚異常遺伝子の出現比を男女別に書け。




(考える)




・XAXAーXAY
男女ともすべて健常

・XAXAーXaY
男女とも全て健常

・XAXaーXAY
女性 全て健常
男性 健常:色覚異常=1:1

・XAXaーXaY
男女とも 健常:色覚異常=1:1

・XaXa-XAY
女性 全て健常
男性 全て色覚異常

XaXa-XaY
男女とも全て色覚異常


解説
遺伝子型は女性(雌)3パターン、男性(雄)2パターンだから交配パターンはわずか6パターンである。
うち
XAXA-XAYと
XaXa-XaYは
結果が明らかなので、

入試の出題は残り4パターンから出題されている。
その4交配パターンを以下のゴバン目表で確認してみたい。







  まずはゴバン目表を作った後、♀♂の子がどうなったかの線引きを上図にようにすると、みやすくなる。  図で青は健常、赤は色覚異常である。 AとCでは男女で結果差があるが、@Bでは結果差がない。伴性遺伝でも親の組み合わせによっては子どもの男女の表現型分離比に差がないこともあるので注意。 この4つのゴバン目表は伴性遺伝子の問題の骨格なので、しっかりおさえておきたい。 ★設問6 XAXaとXAYの子どもが赤緑色覚異常になる確率は何%か? ↓ ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ ↓ 答 25%  上図のように4ます分の1ますなので。 ★設問7 XAXaとXAYの子どもに男児が生まれた。その男児が赤緑色覚異常になる確率は何%か? ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ ↓ 答 50% 解説  今度は男児が母数である聴き方なので、男児では2ます分の1ますが赤緑色覚異常なので50% 入試問題では「子の中で」という聞き方の場合と、「男子の中で」という聞き方の場合で答に差がでることがあるので注意。