★設問1 種皮の色はA有色、a無色、胚乳の性質はデンプン性B、
砂糖性b、子葉の色は黄色D、緑色dで、大文字が優性の植物を考える。
AABBDDの雌しべに、aabbddの花粉親の花粉を受粉してできる
種子の胚の遺伝子型、種皮・子葉の色、胚乳の性質を書け。




(考える)



胚の遺伝子型AaBbDd
種皮の色 有色
胚乳 デンプン性
子葉の色 黄色

★設問2 ある遺伝子型の雌雄の交雑を、雌雄の遺伝子型を交換して交雑することを正逆交雑という。設問1の正逆交雑で、
aabbddの雌しべに、AABBDDの花粉親の花粉を交雑した時の、種子の胚の遺伝子型、種皮・子葉の色、胚乳の性質を書け。




(考える)



胚の遺伝子型AaBbDd
種皮の色 無色
胚乳 デンプン性
子葉の色 黄色

解説
 種皮は雌しべの胚珠の珠皮の色なので、その時受粉の遺伝子は発現しない。めしべの遺伝子型の性質がそのまま出る。したがって正逆交雑で結果が異なる。

★設問3 種皮と胚乳のみに注目して考える。
雌しべAABBと花粉親aabbとの交雑で生まれたF1を育て、自家受精して種子を得た。
種皮・胚乳の表現型分離比を答えよ。




(考える)



種皮 すべて有色
胚乳 デンプン性:砂糖性=3:1

解説
F1となる種子の中で成長するのは胚の部分である。胚は卵細胞と精細胞の受精でできるので単純なメンデル遺伝にしたがい。
AABB×aabbでAaBbとなる。
自家受精なので
AaBb(雌しべ)×AaBb(花粉親)となるが、
種皮は雌しべの遺伝子型がそのまま発現するため
AaBbであり、(Bbは無関係だが、)Aaなのですべて有色となる。

胚乳についてはBbのみ関係するのでBbのみで考える。
胚乳は極核2つと精細胞の受精でできるため、

雌しべBb→胚のう細胞Bかb→極核BBかbb

雄しべBb→花粉四分子Bかb→精細胞Bかb

よって

精細胞B b
極核
BB  BBB BBb
bb  Bbb bbb

BBB:BBb:Bbb:bbb=1:1:1:1
デンプン性[B]:砂糖性[b]=3:1

図示すると以下のようになる。








 













 









この問題は
・胚はメンデル遺伝で次世代に遺伝子型を引き継ぐ。したがって子葉の色は一番簡単なメンデル遺伝の法則に従う

・種皮は、母の遺伝子型が発現する。

・胚乳は極核2つと精細胞の受精なので3n(3文字)となる。結果はメンデル遺伝に近い。

・種皮と胚乳の表現型は子孫には伝わらず次の代の遺伝には影響しない。

というのがポイントである。