設問1 丸の品種AAとしわの品種aaの交配で得たF1を自家受精を重ね、F3、F4、Fnを作った時、
AA:Aa:aaの遺伝子型分離比はどうなるか?
また自家受精を何回の繰り返した集団に遺伝子型はどのような特徴となるか?



(考える)



F3 3:2:3
F4 7:2:7
Fn 2のn-1乗ー1:2:2のn-1乗ー1

自家受精を繰り返すとヘテロ型(Aa)がほとんどなくなり、ほとんどホモ接合体のみ(AAかaa)になる。

解説
F2はAA:Aa:aa=1:2:1
比率に直すと1/4:1/2:1/4
F2からF3を作る時、

・1/4AAからはまた全てAAが
・1/4aaからはまた全てaaが
・1/2AaからはAA:Aa:aa=1/4:1/2:1/4が出現するので


1/4AA+1/2(1/4AA+1/2Aa+1/4aa)+1/4aa

=3/8AA+1/4Aa+3/8aa

AA:Aa:aa=3:2:3

F4も同様に計算できるが、面倒くさいので、
以下の表のように比の合計値の規則性からその規則性を類推する。

n→∞にすると、ヘテロ接合体(Aa)がほとんどなくなる。昔はこの前作業(自家受精の繰り返し)をして、
遺伝実験に使う純系を得ていたが、今は「花粉培養してえた一倍体(半数体)をコルヒチン処理で染色体倍化させてニ倍体を得る」という方法が使われるようになった。

★設問2 F2を自由交雑して得たF3、F4、Fnを得た時のAA:Aa:aaの遺伝子型分離比を求めよ。



(考える)



F3もF4もFnも全て
1:2:1

自由交雑では花粉(精細胞)と卵細胞が自由に組み合わさることが可能なので
F2AA:Aa:aa=1:2:1の集団からできる
集団全体の卵細胞はA:a=1:1(AAからとaaから同数のAとa,
Aaからも同数のAとaができる)

同様に集団全体の精細胞も
A:a=1:1

よってメンデルのゴバン目表と同じ

精卵A a
A AA Aa
a Aa aa

となって、何世代繰り返しても
AA:Aa:aa=1:2:1

★設問3 自家受精したF4世代、AA:Aa:aa=7:2:7の集団をF5を作る時は自由交雑させた。F5の遺伝子型分離比はどうなるか?



(考える)



1:2:1

解説
AA:Aa:aa=7:2:7
集団全体からできる卵細胞もA:a=1:1(7AAからと7aaから同数のAとa,
2Aaからも同数のAとaができる)
つまり自由交雑をすれば1世代で1:2:1に戻る。

この分野、「自家受精」「自由交雑」(ランダム交雑)、一言の違いで答えが異なるので注意。