●設問1 メンデルは丸の種子をつくる品種のエンドウと、しわの種子をつくる品種をエンドウを交配させ、
子が丸としわの中間の性質ではなく、
すべて丸の種子をつくることを確認した。この実験を元にメンデルが提唱した法則名、この法則によって否定された、従来の遺伝に関する考え方を述べよ。



(考える)



優性の法則
「絵の具モデル」

解説
 メンデル以前は、子の性質は両親の形質をまぜた中間形質が出現するとの「絵の具」モデルであった。
 丸としわの交配で中間形質ではなく、すべて丸の形質が出現したのは、「丸」が発現しやすい優性形質、
「しわ」が隠れやすい劣性形質であり、子では優性形質のみが出現するからである。これを優性の法則という。
 記号で示すと丸の品種がAA,しわの品種をaaと示し、それぞれからA,a配偶子を生みだす。それが受精した結果、
両者の子はAaとなり、丸の形質が発現する。

★設問2 優性の法則の例外現象を名称を示し、具体例をあげよ。



(考える)



不完全優性。
マルバアサガオの花の色。AAで赤、aaで白だが、Aaで優性の法則が成り立たず中間形質の「桃」となる。

★設問3 Aaが配偶子を形成する時、Aとaが1:1の比率に分かれ配偶子に入る。この法則を何というか?



(考える)



分離の法則

解説
 この法則には例外はない。

★設問4 親世代(P)の、丸品種AAとしわ品種aaを交配して得たF1(子世代)を
自家受精(同じ株の花粉が同じ株の雌しべに受粉・受精)
して得られたF2(孫世代)の表現型分離比、
遺伝子型分離比はどうなるか?



(考える)



表現型 丸:しわ=3:1
遺伝子型 AA:Aa:aa=1:2:1

解説
分離の法則から雌しべからつくられる卵はA:a=1:1
雄しべからつくられる精細胞はA:a=1:1

ゴバン目表を書くと

・・精子A a

A AA  Aa
a  Aa  aa














 













図で示すと上記のようになる。
メンデルは多数の種子を集めて6022:2001のような結果を得ており、それを統計的な発想で3:1と推定し、この記号的説明を考え付いた。

★設問5 丸種子:しわ種子=3:1とは次のどの状態か?

ア、丸種子だけのさや:しわ種子だけのさや=3:1
イ、丸種子・しわ種子が混在したさやが多数あり、バラバラにして種子集めた総数が、丸種子:しわ種子=3:1



(考える)





解説
同じさやに入っている別の種子は、
それぞれ異なる卵・精細胞の受精で生み出されているので、さやごとに同じ種類に種子がはいっているとは限らない。(過去のセンターで出題)