問1 受精卵の灰色三日月には外胚葉を神経管に分化させる誘導能力はあるか?



(考える)


ない

★設問2 両生類の胞胚の予定中胚葉域(赤道面付近)を切り出した上で、予定外胚葉域(動物極側、
帽子状なのでアニマルキャップともいう)・予定内胚葉域(植物極側)を分割し培養すると、
それぞれ外胚葉(表皮)・内胚葉が分化した。 
 両者を結合させて培養するとどうなるか?そのことから何がわかったか?



(考える)



植物極側(内胚葉予定域)は分離の時と同様、内胚葉となる。
アニマルキャップ(外胚葉予定域)は、内胚葉予定域との接触部が中胚葉に分化する。
「植物極側(内胚葉予定域)が動物極側の細胞を誘導し中胚葉に分化させる」ことがわかった。(これを中胚葉誘導という)

問3 中胚葉誘導を研究した研究者は?また中胚葉誘導を引き起こすたんぱく質の名称は?




答 ニューコープ(日本人では浅島誠が近い研究をした)
  ノーダルタンパク質






 







 
内胚葉は接触した動物極側細胞群を中胚葉に分化させる能力を持つ。それを起こす物質濃度は予定原口(背側)が大きく、腹側が小さい。濃度が小さいと側板由来の血球が、中程度であると体節由来の筋肉が、大きいと脊索が分化する。



設問3 中胚葉誘導と神経管誘導の関係を説明せよ



(考える)



まず桑実胚・胞胚期などに、植物極側が分泌する誘導物質などによって、中胚葉誘導が行われ
赤道面付近に中胚葉が分化する。とくに誘導物質曝露量の多い背側中胚葉は、原口背唇に位置する
予定脊索域になる。(これはもともとは受精卵の灰色三日月の位置に近い位置である)。
 次に、原腸胚後期・神経胚以降、原口背唇(予定脊索域)は接触する上部の動物極側・背側領域を誘導し神経管にさせる神経管誘導を行う。

解説
中胚葉誘導→神経管誘導の順番である。