今日は問題ではなく、解説です。生態系の特徴を示す数値を森林(陸上生態系の代表)と外洋(海洋生態系の代表)で比べてみましょう。よく出題される内容です。








 










表の値には単位もあるのですが単位は簡略のため無視します。

地球の7割が海洋、3割が陸地ですが、陸地の中がすべて森林ということでもないので森林面積(57)は外洋面積(332)に比べて少なくなります。 森林は木本に多数の有機物が蓄積され現存量が多い(1700)のに対し、外洋では海を浮遊する植物プランクトンの現存量は多くない(1)。ただお互いの特徴を比較するためには単位面積あたりで比較したほうがよいので、A現存量を@面積で割ると、単位面積あたりの現存量が出る。
 次にC1年あたりの純生産量を求め、これも面積で割ると、単位面積あたり年あたりの純生産量(B/@)が出ます。

●安定した生態系では純生産量=枯死量+被食量
 皆さんが、今日も明日も体重が変わらないのは、食物や飲料を飲食した分と同量のものを排泄・排出しているからです。そして皆さんの体の素材は数年単位で総入れ替わりするわけです。
生態系も同じです。中長期的な環境破壊・森林消失もありますが、地球環境全体としては、森林・植物プランクトンの総量は維持されていると考えてよく、そのためには、毎年純生産で加わるのと同量の有機物が、
、枯死や被食で失われる必要があります。そして数年や数日単位で総入れ替わりします。
森林は単位面積あたり30の現存量が毎年1.4ずつ純生産で加わり、同量1.4が被食や枯死で失われるので、森林は30/1.4=約20年で総入れ替わりします。
また消失する原因は枯死が多く、被食量は多くありません。
 一方、外洋生態系では植物プランクトンは現存量は少ないのですが、年あたりの純生産はそれ以上です。つまり1年を待つまでもなく、0.003/0.13 =約1/40
つまり1/40年、つまり365/40=9日ぐらいで現存量が総入れ替わりします。
 その原因は動物プランクトンや魚による被食が多く、枯死量が多くありません。

その図の数値的な概要と意味がときおり出題されますので理解をしておいてください。