★設問1 海水の塩分濃度は約何%か?ヒト体液・カエル体液浸透圧に相当する塩分(食塩水)濃度は約何%か?




(考える)



海水3,5%
ヒト体液0,9%
カエル体液0,65%

解説
バックナンバー17参照。
なお淡水の塩分濃度は0,05%以下であり、ほぼ0と考えてよい。

★設問2 軟骨魚類(サメ・エイ)は独自の方法で体液浸透圧を海水とほぼ同じに保っている。どのような方法か?




(考える)



窒素性老廃物の尿素を体内に蓄積し浸透圧を海水と同じになるように保つ。

★設問3 下図は外液の塩分濃度とその生物の体液の塩分濃度の関係を示したものである。各グラフの線より高濃度・低濃度の所ではその生物は生存できないことを示している。
1〜6に相当する生物は以下のうちどれか?
淡水硬骨魚
海産硬骨魚
回遊魚(ウナギ・サケ)
ケアシガ二
ミドリイソガザミ
モクズガニ




 









(考える)



1ケアシガ二(外洋性)
2モクズガニ(川・河口・海を往復)
3ミドリイソガザミ(河口域のカニ)
4淡水硬骨魚
5海産硬骨魚
6回遊魚

解説
 点線(グラフでy=x)の部分では外液塩分濃度=体液塩分濃度なので、浸透圧調節はせず、自然の外液をそのまま取り入れて体液にしていると考えられる。
外洋性の無脊椎動物(外洋性のケアシガ二やクラゲ)はその状態で海水付近の塩分濃度でy=xの上に存在し、淡水では生存できない。

点線(y=x)からずれるところでは、生物が外液の塩分濃度と異なる塩分濃度にするため、
生物が浸透圧調節の努力をしている。
ほぼ塩分濃度0の淡水域では、体液塩分濃度を外界(淡水)より高く保ち、海水域では、外界(海水)
より低く保とうとしている場合が多い。
つまり、生物の体液浸透圧は淡水と海水の間の塩分濃度がよい場合が多いと考えられる。
 淡海水が混じる河口域(汽水域という)で生育するカニなどは、汽水環境ではy=xに従い、
外液をそのまま調節しない濃度で体液に使うが、淡水に近づきすぎたり、海水に近づきすぎたりした場合に浸透圧調節を開始する。
 ミドリ「イソ」ガザミは河口域にすみ淡水には適応できるが、海水には適応できない。
 モクズガニは、はさみの部分に「藻屑(もくず)」のような毛があることから命名されたが、
幼生期は海水で過ごし、河口域を経て成体では川にのぼる。そしてまた産卵時に海に戻る。よって淡水〜海水に広く適応する。
 
 硬骨魚は、淡水より高いが海水より低い塩分濃度に浸透圧調節で保つ。回遊魚は両方の領域をカバーできる。
淡水硬骨魚・海産硬骨魚の
浸透圧調節は明日やりましょう。