問 好気呼吸の第3反応系の電子伝達系でのATP合成に関する説を何というか?誰の説か?
 またその内容を簡潔に説明せよ。
  ATP合成酵素(synthase)はどの位置にどの向きに存在するか?







 化学浸透圧説・ミッチェル

解糖系やクエン酸回路で合成されたNADH+H+やFADH2から出された電子が、ミトコンドリア内膜(クリステ)にある電子伝達体を輸送されると同時に、マトリックスにあったH+が膜間腔(外膜と内膜の間)に輸送され、膜間腔のH+濃度が高まる。次に濃度勾配に従って、H+がマトリックス側に戻る時、ATP合成酵素(synthase)を通り、その際、ATPが合成される。

ATP合成酵素は内膜にありマトリックス側に突き出る形で存在する。

以下説明図


解糖系で合成されたNADH+H+は別の物質にHを移しかえる形で輸送され、クエン酸回路内で作られたNADH+H+と同じ働きをすると考えてよい。
 電子伝達体(タンパク質複合体)を輸送された電子(e-)は最終的にH+やO2(ミトコンドリア外から拡散してきたO2)と結合し、水(H2O)となるので、赤→の流れは持続的に続き、電子伝達系が持続的に続く。