題名で驚かないように

外国語の同時通訳者が書いた本を
読んでいます

通訳翻訳についてのさまざまな話が
つまっています

外国語を訳す難しさや
難しさゆえの誤解
誤解ゆえの喜劇

明治初期
海外の小説を日本語に翻訳した際
身分の違う男女の恋愛の話

登場する女性がいうセリフ
「I Love You」

ここで明治の文豪は
ハタと困った

当時は日本人たるもの
あからさまに
「好きです
 愛しています」などとは
口がさけてもいうはずがない

ということで
愛といわれても
恋といわれても
ピンとこない

そこでひねり出したのが
題にある
「わたし 死んでもいいわ」

う〜ん
深い 深すぎる
むしろ
「愛している」とかよりも
熱烈ではないか

現代で我々が
簡単に口にする
「愛」だの「恋」だのよりも
切実ではないか

誰かいってくれないかな〜
じっと見つめて
ぼそり…と
「わたし… 死んでもいいわ」

あじゃぱ〜

みやざわまき