大人になると 子供の時に読んだマンガなり小説なりが 奥深かったことを知る あしたのジョー 矢吹丈が 紀ちゃんと夜の川岸を歩く 「矢吹君はイヤじゃないの? みんなの見てる前でボクシングするの?」 ジョーがいう 「嫌いじゃないんだ 燃え尽きて灰だけが残るんだ」 「私 ついていけそうにない」と 紀ちゃん …子供のころ 僕はこれが二人の単なる会話で 紀ちゃんとジョーの二人のシーンは また出てくるのだろうと思っていた しかし ふたりのシーンはそれ以降なかった やがて 紀ちゃんはマンモス西と結婚する 子供の僕にとっては それは唐突に思えた しかし 今 大人になって読み返してみると とてもよくわかる 上記の場面は 紀ちゃんがジョーに 決別した場面だったのだ そして紀ちゃんは マンモス西にひかれていったのだった マンモス西との結婚式で ヒトコマだけ見せる紀ちゃんの 愁いのまなざし 矢吹を見つめる複雑な表情 それをお子様だった僕は全く わからなかった 大人になるとわかることが増えるのである 読んでしまったからもういいやと思わず いろいろと再読しないといけないぞと思う 平成24年1月であった |