ちょっと前まではさ、どんなに「おくれ!」って言ってもテーブルにある人間の食べ物は絶対に俺には分けてくれなかったのに・・・。 今朝なんか、鯵の干物をジ〜ッと見てたらさ、箸でつついて小っさい皿に盛ってくれてよ、「はいっ!どうぞっ!」なんて台詞つきなんだよな〜。 この間さ、粗相してから何だか急にみんなして優しくなっちまって、ヨソの家にいるみてぇで落ち着かねんだよ・・・。 これは、ひょっとしたらアレか?俺がそろそろどうにかなりそうだからってんで、優しさにラストスパートかかっちゃってんのか? もしそうだとすると参るねぇ・・・俺はもうチット生きられそうなんだけどな、このラストスパートでみんなラストまで持つのか? 昨日父ちゃんが海から帰ったってんで、アタシだけ今晩からで下で寝ようかな?なんて母ちゃん言ってるし・・・。 まあ母ちゃんに添い寝なんざ久しぶりだから、嬉しいに越したこたぁねんだけどさ・・・。 前にいたジャムって梅さんよりちいと別嬪の娘はさ、何だかよく判んない病をこじらせてさ、病院に入院したまま天国に行っちまったんだよ。 病院にいるから仕方ねぇんだけどさ、もう魂抜けてんのに電気でドンドンやられてな・・・ありゃ不憫だったな〜。 やっぱ住み慣れた家に家族と一緒にいてさドア・ツー・ドア?家から天国に行けるのが一番ハッピーだよな。 今日は刺身だって言うから、試しにおねだりしてみっかな?あんまり調子に乗ってると大目玉くらいそうだし、その辺りの見極めが難しいんだよな(苦笑)。 いくつになっても女心は俺には見当がつかねぇよ、ハハハ!今日は久しぶりにゆっくり母ちゃんの下手な三線でも聞いてのんびりしようかな・・・。 は〜喋るだけでくたびれちまった、どれ朝寝としゃれこむかな!んじゃ、またな。 ひばりヶ丘・長倉かな江 |