停車中の電車のドアの前で小さく手を振る女性。 「うん、元気で!」 と ホームで応える男性。 ほんの少しの別れなのか、長い別れになるのか 私には知るよしも無い。 ただ、過日のお座敷列車の中から手を振っていた人々の気持ちとは、 違う何かがあたりに漂っていた。 半袖のシャツに クーラーは涼しすぎた、昨日の車内の一コマ。 昼間の蒼い空には入道雲と筋雲が浮かび、 朝から蝉がけたたましく鳴いていても、 夜にはコオロギやカネタタキの競演に変わる。 あの暑かったイーランでの楽しかったコンサート。 そして、そこに至るまでの、それまでとは違っていた私の日常。 素晴らしく充実していた私の夏! 昨日の太陽は、明るくても、肌を刺すような光ではなく、 身体に感じる風は時に心地よく… ふと夏の終わりを感じた私でした。 |