わがチームの次元大介こと、田沼さん。

多くを語らず、常に我が道を歩く男。
人が寝ていようが、起きていようが、関係なく暇さえあればテラスで、我が道を行く。

次元の笛の合間をぬって、サバイバル昼寝をするのが、師匠ガマ他、みんなの日課になった。

どうやら、私が台湾につく前は、次元の「我が道」は「ほら貝」だったらしい。


そんだけ練習しているというのに、次元のほら貝は、本番では、すかしっぺ。

師匠ガマに「ほら貝は、やめておいたらいいよ。(笑)」
と、ばっさり!

そういう訳で、私が台湾入りした時には、「ほら貝」は演目からなくなっていた。

本当に、朝も次元の笛で起き、夜も次元の笛で寝る。
朝から晩まで、なだ〜そ〜そ〜〜。

そんな次元、最後の公演が終わったとたん、緊張の糸が切れたのか、師匠ガマのいない隙に、テラスでひとり、コワレテイル。

おぉぶれねり、あなたのおうちはどこ〜!??
的な歌を、ひとりメドレーで、ひとりで踊って、ひとりでコワレている。

隣室で荷物整理をしていたアダッちゃんも、さすがに心配になって
様子を見に出て来て、遠くから爆笑している。
その声を聞きつけて、ねーねーも出て来た。
「あ〜、ついに壊れちゃったね〜」(爆)

かなり、やばいおじさん状態になっている。
何かが降りてきたに違いない。
しかし、それは単なる「予兆」であった。
次元の本領は、この後発揮されることになる。


最終日の朝のこと、

ぶお〜っ!ぶぉ〜っ!!ぶぉっ!ぶぅお〜!!!

と、勇ましい音!
目のさめるような音!!

みんな、急いで部屋から飛び出してきた。

師匠ガマの目を盗んで、止められていた「ほら貝」を
次元大介が高らかに、キモチよさそーに、吹いているではないか。

「それを本番でやったらいいさ」
と、師匠ガマに軽く笑われていましたよ。

ひらた