ホワリェン大学の女子大生にもらったアメちゃんを食らいながら、
師匠ガマは世界征服の野望に燃えて、夜風に吹かれている。

私たちが公演をしたのは、スモールグループ用の小舞台。
その舞台で、師匠ガマは、確信を得たのだった。

オレは、まちがいなく世界に通用する。。。。



思い返せば、イーラン公演練習に明け暮れた東京での練習最終日のこと、
師匠ガマは、私たちに宣言をした。

「だからよ〜、キジムナーは世界に通用する歌なわけよ。
みんな、ニッポンの歌の代表はキジムナーだと思う日が来るんだよ。」

え”〜っっ、そっそそそそ、そうなんですかぁ〜!?


だが確かに、私は見た。
運転手の大木凡人さんが、ちょん、ちょん、ちょん、ちょん
と歌ってしまっているのを。

ホワリェン女子大生4人が、ちょん、ちょん、ちょん、ちょん、
と踊ってしまっているのを、見てしまった。。

きみたち、まんまと師匠ガマの思うツボに
はまってしまったのか。。。


そうして今、師匠ガマは夜風に吹かれながら、
世界の大舞台を客席最後方から見つめている。
舞台には、打楽器と歌で、全ての観衆を魅了するアフリカのブルキナファッソの子どもたち。
大きな舞台は、ドームの天井と観客に囲まれて、巨大な渦を巻いている。

その、一番うしろの客席より、
師匠ガマの、ゆびぶえ〜っっっっっっ!!!
ブルキナファソへの巨大なエール。

会場後方の100人くらいが、
耳を押さえながら振り返る。
ブルキナの打楽器をかき消すゆびぶえ。

ここでまた、師匠ガマは確信を深める。
オレの指笛は世界一。ふぉっふぉっふぉっ

更に気をよくした師匠ガマは、
この後の閉会式セレモニーでも、キメの一発!
世界のドヨメキと歓喜を呼び起こした。

うぉ〜!!!!

これ!世界の人々よ、やっぱり師匠ガマの思惑に
はまるのか。。。

師匠ガマの地球制覇の野望は、ついに実現化しはじめている。
一方、師匠ガマの指は、バルタン化しはじめている。

ひらた