電気料金が決まるしくみはとてもオープンでクリアです。

興味のある方は、電気法規の教科書に詳しく載っているので読んでみてください。

電力会社のサイトで公開されている、電気料金表や電気需給約款に具体的な数字が書いてあります。

電気料金は、基本的には 「基本料金」+「電力量料金」です。

ごく簡単には、基本料金は発電所や送電線などの設備代(固定費)、
従量料金は燃料代(可変費)を反映したもの。

車に例えて言えば、基本料金は本体価格、従量料金はガソリン代や税金に相当します。
電話や水道なども同じですね。

車は大きさや性能によって値段がさまざまであるように、電気の使い方によって料金もさまざまです。

まず基本料金(契約料金)の単価を比べてみましょう。
 電灯料金(家庭用)は10A(1kW)あたり273円
 高圧(6600V)は1kWあたり1638円
 特別高圧は1kWあたり1585円50銭(22000V)、1533円(66000V)
高圧・特別高圧は家庭用よりも随分高い単価ですね。
電圧が高いほうが若干安くなっています。

上流の変電所から直接送るので、下流の配電用変電所や柱上トランスなどの設備を使わないからです。

次に従量料金です。1kWh(kWh:kW×使用時間)あたりの料金は
 電灯 17円87銭8(〜120kWh)−22円86銭(120kWh〜300kWh)−24円13銭(300kWh〜)
 高圧 16円60銭(ピーク時)
 特別高圧 13円96銭(22000V) 13円75銭(66000V)(ピーク時)
従量料金は高圧・特別高圧のほうが安いです。
主に、電圧が高いほうが、損失が少ないからという理由です。

特別高圧のほうがお得だ、なんて早まらないでください。
高圧で十分なのに無理して特別高圧で受電しようとすると、より高額な設備を十分に使いきれないことになり、かえって損するでしょう。

ちょっとそこのスーパーへ買い物に行くだけのために、自家用車を乗用車でなく大型バスにするようなものです。

以上のことから、使えば使うほど安くなる、というのは正確な情報ではないと思います。

家庭用の電灯従量料金は三段階料金制度が導入されています。

オイルショックの反省から省エネルギー推進などの目的で、昭和49年6月に採用したもの。どんどん売れないようにするしくみ、なんてめったにありません。

実際はもっと複雑ですが、わかりやすさを優先して、簡略化して説明しました。

長倉さん、おわかりいただけましたか?

 寺澤