問1 次の図は真核生物の細胞質での翻訳の様子である。図で5´→3´の線はmRNAを示す。
ア 緑と青の構造はそれぞれ何か?
イ 緑が進み翻訳を進めていく方向は@Aのどちらか?
ウ できるタンパク質(ポリペプチド)のアミノ基末端(N末端)は
 BCどちらか?









ア 緑 リボソーム 
青 アミノアシルtRNA合成酵素
  (アミノ酸活性化酵素)

イ リボソームが進む方向 @

ウN末端はB

解説
 リボソーム(緑)にmRNAが結合し翻訳が行われる。リボソームは上下2つのサブユニットからなり、その間にmRNAがはさまれる。
 その部位は図のように

A site(A部位)
P site(P部位)
E site(E部位)

の3コドンをはさむ。

A siteはアミノアシルtRNA結合部位
P siteはぺプチジルtRNA結合部位
E siteはexit(離れる)部位

である。図でフォークのような形をしたものがtRNA(運搬RNA)、○がアミノ酸を示す。


A siteに単独アミノ酸を結合したtRNAが結合し、
P siteにすでにいくつかのアミノ酸が結合したペプチドが結合したtRNA
E siteは直前までペプチドを結合していたtRNAが離れる部分。

リボソームは@(A site側)の方向に進み、新しいアミノ酸をペプチドの図での下側(根元)側に結合していく。これが繰り返されてペプチドが伸びていく。

図で上に位置するBは合成開始のアミノ酸なので、こちらがアミノ酸のN→C合成方向の最初を示すN末端である。

なお図の青は、アミノ酸とtRNAを結合させる酵素である
「アミノアシルtRNA合成酵素(アミノ酸活性化酵素)」
であり、この結合反応にはATPが必要である。