★設問1 軸索を活動電流が通過する際、軸索の細胞膜表面では、どのチャネルが開き、どのイオンが流入するか?




(考える)



Na+チャネル・Na+
(昨日説明した通り)

★設問2 軸索末端に活動電流が到達すると、あるチャネルが開き、あるイオンが流入し、神経伝達物質放出の引き金となる。
そのチャネルとイオンは何か?




(考える)



Ca2+チャネル、Ca2+

★設問3 軸索末端で神経伝達物質が蓄えられている構造を何というか?また軸索末端に含まれていることが多い細胞小器官を答えよ。




(考える)



構造ーシナプス小胞
細胞小器官ーミトコンドリア
(ミトコンドリアは以上のような様々な反応を起こすエネルギーの供給などに関与)

★設問4 神経伝達物質アセチルコリンを受け止める細胞体・樹状突起側の細胞膜の構造を何というか?またその構造にアセチルコリンが結合した時に起こることを書け。





(考える)



アセチルコリンレセプター

アセチルコリンがアセチルコリンレセプターに結合すると、アセチルコリンレセプターと一体化しているNa+チャネルが開き、
Na+が細胞内に流入する。そのことを引き金にして細胞体・樹状突起側の細胞にも活動電流が発生し、
次の神経細胞にも活動電流が伝わっていく。

★設問5 シナプス間隙には分泌されたアセチルコリンを速やかに分解することで、次の神経興奮によるアセチルコリンを新たに受け止めやすくする酵素がある。この酵素は何か?




(考える)



コリンエステラーゼ(アセチルコリンエステラーゼ)

★設問6 パラチオンなど有機リン系農薬や、同じく有機リン系の物質サリンが神経機能を停止させる毒物として働くしくみを説明せよ。




(考える)



有機リン系農薬やサリンは、コリンエステラーゼの機能を低下させるため、
アセチルコリンがシナプス間隙で分解されずに滞留するため、次の神経細胞が興奮し続け、
新たな脳からの神経由来の指令を受け止めることができない。

★設問7 神経伝達物質の不足やレセプターの不足による疾病の際に有効な薬剤を2つあげよ。
1、アゴニスト(作用薬)
2、アンタゴニスト(拮抗薬)
3、神経伝達物質再取り込み阻害剤
4、神経伝達物質の分解酵素




(考える)



1、アゴニスト(作用薬)
3、神経伝達物質再取り込み阻害剤

解説
 神経伝達物質の不足やレセプターの不足の際は、神経伝達物質とレセプターの結合が健康状態に比べ起きにくい。
したがって、神経伝達物質と同様な働きをする作用薬(アゴニスト)を
追加して、「数で勝負し」結合を増やすのが1つの方法である。

 もう1つは神経の軸索末端が再利用のために神経伝達物質(やその分解産物)を回収する再取り込み口を阻害することで、
神経伝達物質がシナプス間隙に滞留する時間を増やし、結果的に神経伝達物質とレセプターの結合を起きやすくさせるのも
もう1つの方法である。

逆に神経伝達物質やレセプターが過剰で「働きすぎている」
場合には、レセプターに結合するが次の神経に興奮を起こさせない「まがい物」である拮抗薬(アンタゴニスト)で
「ふた」をするか、分解酵素で処理するとよい。
(脳内神経伝達物質セロトニンの不足も原因となる「うつ」の治療薬の1つがSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)である)