★設問1 類人猿を5つとその生息地を答えよ。




(考える)




テナガザル(東南アジア、スマトラ・ボルネオ島など)
オランウータン(東南アジア、スマトラ・ボルネオ島など)
ゴリラ(アフリカ)
チンパンジー(アフリカ)
ボノボ(ピグミーチンパンジー)(アフリカ)

解説
 身体構造などがヒトに近いグループを類人猿という。一般常識的には「オランウータン・ゴリラ・チンパンジー」の3つでよいし、それでよい入試問題もある。
 しかし、入試で厳密に突っ込んで聞かれた場合に、テナガザルとボノボ(ピグミーチンパンジー)も知っておいたほうがよい。
 実は答の順が分岐の順番である。速く分岐したグループ(テナガザル・オランウータン)はアフリカから離れ
アジアに定着し、最近のグループは発祥の地であるアフリカにとどまっている。
 なお、ボノボはヒトとチンパンジーが分岐したのちに、チンパンジーから分岐した。日本の研究者が生態を研究している。

★設問2 ヒトとチンパンジーのゲノム(DNAの塩基配列)の差は何%か?またヒト染色体とチンパンジー染色体の本数は同じか異なるか?本数も含めて答えよ。




(考える)




1%(正確には1,23%)
ヒト染色体は46本、チンパンジー染色体は48本

解説
つまり99%はゲノムが同じ。
ヒトの染色体の2番目に大きい染色体(第2染色体、父母から1本ずつ計2本ある)が、チンパンジーでは2つに分かれ12番目と13番目に長い染色体(第12・13染色体)に相当する。
したがってチンパンジーのほうが2本多いが、ヒト第2染色体とチンパンジー第12・13染色体のゲノムは類似している。
(進化的にはチンパンジーの第12・13染色体がくっついてヒトの第2染色体となったと考えられる。


★設問3(基礎編) ヒトの進化につい
「猿人」「原人」「旧人」「新人」に分類する考え方が古くから用いられてきた。4つの人類に当てはまる選択肢をA・B・C群から選べ

A群(具体名)
1、クロマニヨン人
2、アウストラロピテクス
3、ネアンデルタール人
4、ホモ・エレクトス

B群(出現年代)
1、約1200万年前
2、約400万年前
3、約200万年前
4、約100万年前
5、約30万年前
6、約20万年前
7、約2万年前

C群
1、埋葬儀式の開始
2、火の使用開始
3、石器の作成・使用開始
4、芸術の開始




(考える)



答(ABCの順に)

猿人ー2(アウストラロピテクス)ー2(約400万年前)ー3(石器の作成・使用開始)

原人ー4ホモ・エレクトス(北京原人・ジャワ原人など)ー3(約200万年前)ー2(火の使用開始)

旧人ー3(ネアンデルタール人)ー5(約30万年前)ー1(埋葬儀式の開始)

新人ー2(クロマニヨン人)−6(約20万年前)−4(芸術の開始、アルタミラの壁画など)

解説
 これについては最近様々なことがわかっているし、
年代の説やとらえ方も様々あるが、だいたい上記が、基本問題のベースと考えてよい。
年代については選択肢で聞かれるのでおおらかに考えておいてよい。
(ネアンデルタール人自身は新人と同じく20万年前という説もあるが、他の先行人類ハイデルベルク人などを旧人ととらえると、20万年より少し前30万年前あたりと考えてよい)

★設問4 化石で発見されたクロマニヨン人に代表される現生人類の学名を書け。




(考える)




Homo sapiens(メルマガ表記では無理だが、本当は斜体(イタリック)で書く)


明日はヒト進化の発展編を扱います。