★設問1 ヒト・サルの仲間を何というか?そのグループの生活場所として最も多い環境は?


(考える)




霊長類(primate)
樹上生活(熱帯が多い)


★設問2 霊長類はどの種の哺乳類から分岐したと考えられているか?


(考える)




食虫類

解説
昆虫食をするプレシアダピスという食虫類が、霊長類の祖先に近いと考えられている。プレスアダピスはのちに発生した
「げっ歯類」との地上での食糧獲得競争に負けがちだったので、その一部のグループから、
他の指と対面するように配置する親指を持つ(母指対向性を持つ)カルポレスステスという最初の樹上生活をする霊長類が出現した。
 樹上生活に適応して
・母指対向性
・関節の可動範囲の拡大(四肢が脊椎に対して前後左右自由に回転できるようになり、
木から木に伝わり移動ができるようになった)
・眼が左右でなく顔の前面に配置することで、両目の視野をかぶせる「立体視」が可能となった。

★設問3 霊長類の原型に近い生物が今でも多く住む場所はどこか?その場所に主に住むグループを何というか?また代表的な種名を書け。


(考える)




マダガスカル
原猿類(曲鼻猿類)
ロリス・キツネザル

★設問4 原猿類(曲鼻猿類)以外で広く世界に分布しているグループを何というか?


(考える)




真猿類(直鼻猿類)

解説
 主にマダガスカルに住む原猿類はより「原型に近い(原始的)」ということでそう命名された。
それ以外を「真猿類」と言っていたが、原猿類に特徴が近いと思われてきたメガネザルが真猿に近いこともわかってきて、
最近は鼻の着き方の特徴から
・曲鼻猿類(原猿類)ー鼻孔が左右に離れて存在し側面を向く
・直鼻猿類(真猿類)ー鼻孔が左右くっつくか比較的近い場所に存在し、下方か前方を向く
と分類されることが多くなってきた。
入試的にはまだ「原猿類」「真猿類」の分類が一般的。

★設問5 原猿類(曲鼻猿類)は夜行性、真猿類(直鼻猿類)には昼行性のものが多い。昼行性のもので発達した感覚は?



(考える)




色覚。
特に最初は2色覚(赤・青)であったが、赤色覚から独立に緑色覚が分岐し3色覚(赤・緑・青)になったグループは、
熱帯林での果実の色の変化(未熟→成熟)や若葉の色を見分けることができ、生存に更に有利となった。


★設問6 真猿類(直鼻猿類)は生育場所や鼻の形態から2つに分類される。それを示せ。また類人猿はどちらのグループか?


(考える)




・新世界ザル(広鼻猿類)
ーアメリカ大陸にすむ。左右の鼻孔が少し離れた位置にあり前方を向いている。

クモザル・オマキザルなど


・旧世界ザル(狭鼻猿類)
ーユーラシア大陸にすむ。左右の鼻孔が近い位置にあり下方を向く。ヒトの鼻に近い。

ニホンザル・オナガザル・類人猿(テナガザル・オランウータン・ゴリラ・チンパンジー)(ヒト)

解説
ヒトが「狭鼻」(左右の鼻孔が近く下を向いている)と理解しておけば、ヒト・チンパンジーの分岐の場所であるアフリカを含む「旧世界ザル=狭鼻猿」と思いだせる。
また、名前に「ナガ」が入っている(オナガザル・テナガザル)のは「旧世界ザル」と考えればよい