★設問 マウスの後腎形成間充織(腎臓(後腎)形成予定の間充織)と尿管芽上皮・唾液腺上皮・神経管を使って、 様々な組み合わせで培養を行い、後腎形成間充織が腎臓の組織(後腎)である後腎細管に分化するどうか調べ以下の結果を得た。 ただし、組織を組み合わせる時は間にミリポアフィルターを差し込んだ。 このことから後腎形成間充組織が後腎細管に分化するしくみについて考えられることを述べよ。 ↓ ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ ↓ 答 後腎形成間充織は、単独では後腎細管になれないが、誘導物質による誘導を受けると後腎細管に分化できる。 誘導物質は通常は近接する尿管芽上皮から出されるが、唾液腺上皮。神経管も同様の作用をもつ誘導物質を分泌しているので、それらに誘導されても分化が起きる。 解説 後腎形成間充織は、腎細管に分化する方向性を「内定」しているようである。 しかし、単独では分化できす、通常は近接している「尿管芽上皮」に誘導物質を出し「(内定している方向を実現できるよう)励ましてももらっている」 しかしその「励まし」は神経管や唾液腺上皮など他の組織が出す「励まし」でも通用する。誘導物質はどの細胞でも出しているようなものを であると考えられる。 外胚葉 ↓ ↓←原口背唇 ↓ 神経 などこれまで学んできた誘導は「形成体」が「○○になれ」と教えているようである。このような誘導を教示的誘導という。 それに対し、今日の後腎形成間充織の例は 後腎形成間充織 (腎細管になりたい!) ↓ ↓←尿管管・神経管・ ↓ 唾液腺上皮 ↓ 腎細管 これは、誘導物質を出す組織が、「方向性を決めていたもの」の方向を励ましして許容する(応援)ようであるので「許容的誘導」といいます。こういうタイプの誘導もあるということを頭にとめておいてください |