設問 下図は遺伝情報の発現を示した図である。黒の物質・赤の物質・名称を答えよ。また@Aの過程の名称、Bの物質名(タンパク質の基礎単位)、黒物質・赤物質の基礎単位を示した構造の中の正五角形に描いたCDの名称、E(U)の名称(カタカナ)を答えよ。 ↓ ↓ ↓ ↓ 答 黒物質ーDNA(デオキシリボ核酸) 赤物質ーRNA(リボ核酸) (正確にはmRNA(伝令RNA) @転写 A翻訳 Bアミノ酸 Cデオキシリボース Dリボース Eウラシル 解説 流れを確認していこう。非常に長いDNA(黒)の二重らせんの中の今から発現したい部分の遺伝子を含む部分のらせんをほどき、その片側の塩基配列に対応したmRNA(赤)を合成していく。この流れを@転写という。 転写のしくみはセンター基礎では詳しくは聞かれない。ただ以下の点はしっておいてほしい。 1、mRNA合成の原料は、 P(リン酸)−糖(リボース・D)ー塩基 が結合したヌクレオチドであり、その原料が細胞内に存在し、 それをつなぎ合わせて、mRNAの鎖ができる。 2、DNAの鋳型鎖(mRNAが結合する側の鎖、反対側の鎖は結合しない)の塩基とmRNAの塩基との対応は、DNA複製(二重らせん形成)の時対面する 一昨日のメルマガで確認したA-T、G-C(at GC)の対面に似ている。ただし、mRNAではチミン(T)の代わりにU(ウラシル)が存在するので、 DNA→mRNAへの転写の対応は以下のようになる。 DNA→mRNA A→U T→A G→C C→G 3、DNAの素材自体も一昨日のメルマガで学習したようにヌクレオチドであるが、 P(リン酸)−糖(デオキシリボース・C)ー塩基 と糖の種類が異なる。 ●翻訳 DNAの鋳型鎖と対面し転写したmRNAは移動し、リボソームという細胞小器官で、3つの塩基配列ごとに1つのアミノ酸が指定され、アミノ酸(B)が結合したタンパク質が合成される。 このようにして、遺伝情報(DNAの塩基配列)がRNAを介して、特定のアミノ酸配列を持った特定のたんぱく質を指定する。これを翻訳という |