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16/03/24 20:43 
忘れかけていたもの

先日、知人のお宅へお邪魔する機会がございまして・・・

偶然お会いしてお話をしていたら、これから私の家によって行けということで、初めてお邪魔致しました。

残念ながら、若いきれいなお譲さんの家では無く、私と同世代で少し先輩の男性であります。

この先輩は、親の介護のため離職しておりましてズーッとお家にいるみたいです。そのせいか自分の思考、趣味満載のお宅で、とても羨ましくおもいました。

家中に自分の撮った写真や、若い頃大好きだった音楽のレコードジャケットが飾られてあったりとても素敵で・・・しかもそのレコード聴くことが出来るという。

年代も近い私にとっても、とても懐かしい曲ばかりでありまして、喜んで聴かせていただきました。

懐かしのレコードプレーヤーに針を落とす。

わたしの子供の時代、オーディオはとても高価でありレコードも貴重なものであったため、手動で針を落とす瞬間は傷をつけないように、気を付けて・気を付けて・ドキドキしながら落としたものだった。

大変失礼な話ではあるが、そのオーディオは決して高価なものには見えないし、スピーカーから流れる音も今のそれに比べてかなり劣るものであった。

しかし、彼のいれてくれた自慢のコーヒーを頂きながら、聴く音はとても優しく柔らかく心やすらぐものだった。

静かな空間に漂う、コーヒー豆の香り・ノスタルジックな歌。一瞬に昔に戻り、その時が止まったかのようにさえ感じてしまう。

忙しい毎日を過ごしていると、こんな心地良い時の存在をすっかり忘れてしまっていた。

実はこの時、予定が組まれていて彼のお宅にお邪魔する時間も無かったはずだったのだが、思いがけず大事な事を思い出させてくれた彼に感謝しなければいけない。

未来も大事ではあるが、たまには過去を思い出す事も大事。
詰め込む事も大事ではあるが、余白、スペースはもっと大事。
精いっぱいも大事ではあるが、余裕、ゆとりはもっと大事。

彼も毎日介護におわれ、忙しい身であるに違いないがその中にそういう時を無理に作っているに違いない。やはり幾つになっても、人生の先輩から教わることも多い。

・・・感謝
16/03/17 22:20 
拝啓「めぐ」様



拝啓「めぐ」様

本日はご来店ありがとうございました。

今春、無事卒業して無事遠方での就職が決まったそうで、おめでとうございます。

スタッフとして、うちのお店に来たのは新潟へ来たばかりで、まだ高校生の雰囲気の取れない純朴な女の子でした。

ちゃんと仕事出来るか心配もしたが、これが意外と素直なしっかり者でいつも元気よく仕事をしてくれた。あれから四年・・・純朴さも無くなり、すっかり垢抜けた美人・大人の女性に成長しておりました。
大学生活でのめまぐるしい成長、それは就職してからも変わる事は無いでしょう。

初めての就職、知らない土地での生活、いろいろと不安もあるでしょう、途中悩みもするでしょう。挫折を覚える事もあるでしょう。

人間は悩む事のできる生き物、挫折する生き物。有って当然です。しかし、それらを乗り越え成長の糧にできるのも人間です。
あなたなら大丈夫です。頑張り屋さんのあなたなら・・・

でも、もし頑張って頑張って、それでもどうしてもだめな時は無理をしないで帰ってきてください。あなたには家族がいるし、友達もいる。リトルバードもいます。また新しい何かを探せばよいのです。

新しいスタート、あなたは、目の前に燦然と光り輝く計り知れない未来を待つこの場所に立っています。

心置きなくスタートしてください。

敬具
                                                     
その眩しいあなたに嫉妬さえ覚えてしまう年寄りより・・・
16/03/13 21:02 
時は流れる2

今は昔・・・

やっと自分の城を持った彼女、そこは駅前飲み屋街の一角。

とても好条件の場所とはいえず、道行く人は酔っぱらいのオヤジだらけ。
その酔っぱらいのオヤジたちが飲み屋と間違えて入ってくる。

そんな、お店に女性や家族連れのお客様が来るはずも無く

しかもオープン時に予定していたスタッフがドタキャン!

急遽、まったくの素人である知人にお願いするのだが・・・

誰もお客様が来ていただけない日もある。

彼女が一番辛かった事

毎日15時間以上仕事を続ける事ではない。売り上げが無く資金繰りに困る事でも無く、障害からの後遺症で身体の痛みに耐える事でもない。

それは・・・

何も知らない若い女が商売を始めるなんて、「無理に決まっている!」「できるはずが無い!」「どうせ、お遊びだろう!」「すぐ潰れるだろう!」「大の男が一生懸命仕事しているのを馬鹿にしているのか!」という、聞こえない声であり、見ることの出来ない視線であった。

今の時代はそういう時代。若い女がお店を開くという事は罪な時代。それが普通となり、雑誌、マスコミが応援してくれる時代になるまでは、この後10年余りの時を要する。

それでも彼女は頑張る。聞こえない声も見えない視線にも耐えながら頑張る。涙しながら、ただひたすら頑張る。

人間どの位、頑張る事ができるのであろうか?彼女はどれだけ耐えればよいのであろうか?世の中はどれだけ残酷なのだろうか?

それはまた、次のお話で・・・

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